甘く甘美な香りのシナモン・・・
リラックス効果があり気分が滅入っている時に嗅ぐと気持ちが安らぐそうです・・・
シナモンにはたくさんの健康への効果が知られています。
今回はシナモンの基本情報から健康効果、シナモンの料理への使い方などについて見ていきます。
目次
シナモンの基本情報
シナモンの原料と栄養素
シナモンは南インド、スリランカを原産地とするクスノキ科の常緑樹で樹皮を細長い形状にナイフで剥ぎ取り、乾燥させたものをスパイスとして利用しています。
スパイスの科学
小さじ一杯当たりに含まれるシナモンに含まれる成分は次の様になります。
エネルギー | 7 kcal |
タンパク質 | 0.07 g |
脂質 | 0.07 g |
炭水化物 | 1.59 g |
マンガン | 0.82 mg |
カルシウム | 24 mg |
参考 : カロリーSlism
シナモンは100 g 当たりでみると364 kcal と高カロリーですが、そんな大量のシナモンを使う事はないです。一食で使う量として小さじ一杯の成分を見ると五大栄養素の中で特筆すべき成分があるわけではないです。強いて言えばカルシウムやマンガンの量が他のミネラルに比べて多いくらいです。
シナモンの種類
シナモンにはセイロンとカシアという二種類がよく知られています。
カシアの方が安いため普段私達が口にするシナモンはほとんどカシアです。
シナモンのタイプ
シナモンはスティック状とパウダー状のものが売られています
料理によってどっちを使うかが変わっていきます。
シナモンスティックの方がパウダーに比べて成分ゆっくり溶け出し、香りがパウダーほど強くないのが特徴です。
シナモンコーヒーにパウダーを使うと香りが強くなりすぎてしまうのであまりおすすめできません。
シナモンパウダーはササっとかけられるお手軽さが便利です。ただし、パウダー状にしてしまう事で劣化が早くなり香りもすぐにとんでしまうので早めに使う事をお勧めします。
シナモンの成分と効果
感染症予防
紀元前1550年のエジプトにおいてシナモンなどのスパイスが食品の保存に使われていたという記述があります。
また、20世紀に入ってからの研究でシナモンを始めとしたクローブ、マスタード、オールスパイス、ナツメグ、ジンジャー、ブラックペッパーなどが食品保存の働きを持つことを明らかにしました。そのなかでもシナモンは特に効果的だという事も示されました。
食品の保存に有効・・・
つまり、食品の腐敗を防ぐ働きがあります。食品の腐敗はカビや細菌が繁殖することで起きるのですが、シナモンにはカビや細菌の成長を阻害したり、毒素の放出を阻害したりする成分が含まれている事が分かっています。
そして、このカビや細菌を抑制する効果は体内でも同じです。
「シナモンを摂取すると感染症に罹りにくくなる。」というわけです。
特にシナモンの中のシンナムアルデヒドという成分が注目されていて、シンナムアルデヒドが呼吸器感染症やその他様々な感染症を防ぐ働きがあると考えられています。
抗酸化効果
シナモンにはポリフェノールが多く含まれています。
ワインやお茶、チョコレートなどに多く含まれていると言われているポリフェノール・・・
これらの食品は抗酸化作用があり体をダメージから守り老化を遅くさせる働きがあると言われています。
シナモン以外のスパイスにもポリフェノールが含まれていて抗酸化作用を持つものがあるのですが、シナモンは他のスパイスに比べて特に抗酸化作用が強いという研究結果があります。
抗炎症作用
炎症は体にとって必要な反応ですが慢性的な炎症はつらい症状が続くだけでなく、がんのリスクが高まるなどの危険もあります。
慢性炎症を伴う病気はぜんそくやアトピー性皮膚炎、関節リウマチなどがありますがシナモンの成分がこれらの慢性炎症を抑えることが期待されます。
血糖値の低下
シナモンに含まれる成分が複数の働で血糖値の低下を起こしています
- 炭水化物の分解を抑制
- インスリンに似た成分が糖の吸収を促す
- シナモンの甘さ成分が糖の摂取を減らす
まず、「1. 炭水化物の分解を抑制」についてですが、炭水化物であるデンプンなどが分解されると糖になります。ごはんを噛み続けていると甘くなる反応の事です。甘くなると美味しいのですが、糖の摂取量が多くなってしまうので糖尿病患者にはきついですよね。シナモンの成分はそのデンプンから糖への分解する酵素の働きを阻害することで糖の摂取を抑える働きがあると考えられています。
次に「2. インスリンに似た成分が糖の吸収を促す。」については、まず、糖尿病患者の血糖値が高くなるのはインスリンが足りておらず、血中から細胞内へ糖を吸収することが出来なくなっていることが原因です。そこでインスリンに似た働きをするシナモンの成分がインスリンの代わりに糖の吸収を促すという算段です。
最後の「3. シナモンの甘さ成分が糖の摂取を減らす。」は単純にシナモンが甘いので、少量の砂糖でも甘さを感じ満足するからという理由です。
クマリンによる副作用に注意
シナモンにはクマリンと言う成分が入っています。クマリンは桜餅の香りとして有名な成分で他の食品にも含まれています。少量の摂取ならまったく問題はないのですが大量に摂取すると健康を害します。
クマリンを大量摂取するとクマリンの分解の為に肝臓に負担がかかるこことに加え、クマリンは血液凝固を抑制する作用を持つワーファリンという物質を作るのに利用されるので、流血した際に血液が凝固せず血が止まらない危険もあります。
しかし、過度に摂取しなければ何の問題もないので普段あまり気にすることはないです。
シナモンを使ったおすすめ料理
シナモンミルクティー
シナモンの香りを最も楽しむにはティーがおすすめです。シナモンに加えてショウガやクローブ、ナツメグなど他のスパイスを加えることでまた違った味わいを楽しめます。
シナモンアップルパイ
シナモンはりんごとの相性が抜群です。アップルパイを作るならシナモンは必須ですね。
シナモンライス
サフランライスは鮮やかな色が特徴的で香りはあまりないですが、一方、シナモンライスは色とシナモンの香りが特徴的です。シナモンのスパイシーな香りがカレーなどによく合います。
まとめ
最後にシナモンに関して一つの表にまとめてみました。文章はあんまり読んでなくても図を見たら大体分かるので、是非参考にしてください!!
参考資料
スパイスの科学 武政三男
10 Evidence-Based Health Benefits of Cinnamon
KAWASHIMAYA シナモン|5つの効果・効能と許容摂取量、美味しいレシピご紹介
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