「免疫の司令塔を活性化するただ一つの乳酸菌・・・プラズマ乳酸菌」
最近CMでよく見かけますね。
プラズマ乳酸菌が入った商品としてはキリンのiMUSEがお馴染みではないでしょうか。iMUSEはヨーグルトタイプ、飲料タイプ、サプリタイプの様々な形状で販売されていて、かなりのヒットを記録しているそうです。
乳酸菌で免疫を活性化するといえば、明治の「強さ引き出す乳酸菌・・・R-1」の様に、多くの商品が登場しています。
それでは、
- キリンのiMUSEは他の商品に比べどうのような効果の違いがあるのでしょうか。
- 乳酸菌を使った健康を促進する商品は他にどのようなものがあるのでしょうか。
今回は、これらの疑問について書いていきます!
目次
キリンのiMUSEはどんな効果があるのか?
プラズマ乳酸菌はpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています。
iMUSEはかなりのヒットを記録しているそうで、2020年の1~3月売り上げが前年比で3倍になっているそうです。また、キリンは「プラズマ乳酸菌」関連の売上高を2027年までに19年の40憶円から500億円に拡大させる方針を先日発表しました。
コロナの影響もあってか免疫に対する意識が高まっている様に感じます。
それでは、プラズマ乳酸菌がどのように免疫を活性化しているのか、詳細に見ていきましょう。
プラズマ乳酸菌による免疫活性
プラズマ乳酸菌は他の乳酸菌とは異なり、免疫細胞全体の活性化をする事が出来ます。一般的な乳酸菌は免疫細胞のうち下流にある細胞を活性化できるのみですが、プラズマ乳酸菌は上流のプラズマサイトノイド樹状細胞を活性かすることが出来るため多くの効果が期待されます。
キリンのいち推しな商品だけあってか、キリンのホームページに非常に詳しく解説が載っています。
プラズマ乳酸菌のプラズマはプラズマサイトノイド樹状細胞からとって名付けられていると思うのですが、”プラズマ”という単語はかなりパワーワードな気がします。
消費者は商品を選ぶ際に、その商品による健康効果を完全に理解して購入する事は少なと思います。なんとなく効果がありそう・・・くらいな感覚で商品を選んでいると思います。
そこで、この”プラズマ”という言葉を目にすると「なんか効果がありそう!」と思ってしまうのではないでしょうか。キリンのネーミングセンスが光ってますね✨
プラズマ乳酸菌の効果についてのデータ
プラズマ乳酸菌の効果は24報もの論文で報告されています。
その中のいくつかについて話していきます。
上の実験は健常な男女39人にプラズマ乳酸菌を含むヨーグルトと含まないヨーグルトは4週間摂取してもらったときのpDC(プラズマノイド樹状細胞)の活性を比較したグラフです。
グラフから分かる通り、プラズマ乳酸菌入りヨーグルトを摂取したグループの方がpDCの活性が高いことが分かります。
それではpDCの活性が高いとどう健康に影響があるのでしょうか。もう少し我々の健康にどう影響があるか分かりやすいデータを見てみます。
この実験も健常な男女に対して、プラズマ乳酸菌を含むヨーグルト飲料と含まないヨーグルト飲料を飲んでもらい、10週間後の咳や熱の自覚症状をグラフ化してものです。
プラズマ乳酸菌を摂取していたグループは摂取していないグループに比べ明らかに咳や熱の症状のある人が少ない事が分かります。
ここで挙げたデータは一例ですのでさらに詳しく知りたい方はキリンの乳酸菌 L.ラクティス プラズマ 研究ライブラリーをご覧になる事をおすすめします。
腸内環境を整えよう
ここまでは乳酸菌の中でもプラズマ乳酸菌に焦点を絞って話をしていましたが、乳酸菌には他にもたくさんの種類があります。
プラズマ乳酸菌以外にも健康効果がある乳酸菌も知られていますし、近年乳酸菌関連の商品がかなり増えているように感じます。
そこで、乳酸菌の効果について軽く話していきたいと思います。
プロバイオティクス
私たちの腸内には細菌が1000種類、100兆匹存在すると言われています。そして、一食分のヨーグルトの中にも数十億、数百億の乳酸菌が存在すると言われています。
菌を食べていると再認識すると、顔をしかめる人がいるかもしれませんがこれが現実です。私たちは菌と共生しているのです。菌がいなかったら生きていけないのです。
菌の中には善玉菌と悪玉菌が存在するのですが、体に良い働きをする善玉菌を摂取して善玉菌を増やそうとする考え方が「プロバイオティクス」というものです。
乳酸菌も善玉菌の仲間なので、乳酸菌を摂取すれば善玉菌の数が増えて、悪玉菌の数が減ると考えられています。
腸内フローラでは普段は多種多様な細菌がせめぎあってバランスを保っていますが、抗生物質の服用や外科手術、またはストレス、過食、不規則な生活、加齢などによって、ある日突然、あるいは徐々にバランスを崩してしまいます。腸内に悪玉菌が増えると、悪玉菌によってつくられた有害な物質が血液を通じて体中に運ばれ、さまざまな疾病の原因となります。善玉菌が多く、腸内細菌のバランスが保たれていれば、ヒトが分解できない食物からの栄養を吸収したり、免疫機能を調節するなどの有用な働きが期待できます。
乳酸菌の具体的な効果
善玉菌である乳酸菌を摂取する事が健康に繋がるという事は分かった思いますが、それでは具体的に乳酸菌にはどのような効果があるのでしょうか。
プラズマ乳酸菌は免疫活性化に特に効果がありましたが、それ以外にも健康に効果がある乳酸菌がいくつも知られています。
- 免疫の活性化(キリン プラズマ乳酸菌、明治R-1乳酸菌、大塚製薬 B240乳酸菌、ハウス L-137乳酸菌)
- 整腸作用 (キッコーマン OS乳酸菌、明治 LB81乳酸菌)
- ピロリ菌を減らす (明治 LG-21乳酸菌)
- アレルギー反応の抑制 (雪印 乳酸菌ベルべ)
- 老化を抑制する (キリン KW乳酸菌)
- プリン体の分解を助ける (明治 PA-3乳酸菌)
乳酸菌による整腸作用については昔から知られていましたが、最近では乳酸菌による免疫の活性化やそれ以外の効果も期待されています。
ハウス食品が「乳酸菌の機能・効能について知っているものはありますか?」というアンケートを行っています。
この結果から、乳酸菌というと整腸作用が主な効果と認識されていると分かります。
しかし、iMUSEのような最近のテレビCMなどを通して乳酸菌による免疫活性化などの効果も徐々に知られつつあるそうです。
免疫を活性化する乳酸菌・・・各メーカーの商品
最近知られつつある免疫を活性化する乳酸菌・・・
R-1が大ヒットとなっているように免疫活性化乳酸菌市場は盛り上がっています。
各社しのぎを削りオリジナリティに溢れた商品を売り出そうと頑張っています。いくつもある免疫活性化乳酸菌が入った商品の中で特に面白そうな物をいくつか紹介したいと思います。
キッコーマン アシスト乳酸菌
キッコーマンというと醤油やポン酢のイメージが強いと思いますが、醤油作りに乳酸は欠かせないです。そのため、キッコーマンは乳酸の研究も行っていて独自に免疫を活性化する乳酸菌を発見しています。
キッコーマンは免疫を活性化する働きが強い乳酸菌であるPediococcus acidilactici K15(通称 : アシスト乳酸菌)を発見しています。
そしてキッコーマンの乳酸菌がどのように働くかについてキッコーマンのホームページでは次の様に説明されています。
参考 : キッコーマン HP
アシスト乳酸菌はmDCとpDCに働きかける事が出来るそうです。
pDC(プラズマノイド樹状細胞)・・・iMUSEに入っているプラズマ乳酸菌が作用できる樹状細胞と同じではないか・・・
そして、アシスト乳酸菌はpDCに加えてmDC(ミエロイド樹状細胞)にも作用する事が出来るのではないか。(mDCも免疫に関わる樹状細胞の一種)
iMUSEは世界で初の免疫の司令塔を活性化する乳酸菌であるプラズマ乳酸菌を発見したと言っていたが、それは2012年の論文で発見した乳酸菌のこと。それ以降同じような効果を持った乳酸菌が見つかってもおかしくなない・・・
キッコーマンは近年、ぬか床からこのアシスト乳酸菌を発見して、アシスト乳酸菌を使った商品がいくつか発売されています。
2020年の9/28から発売されているとのことですが、キリンのiMUSEと同じようにこれからヒットする予想されます。(現在は2020/10/12)
他にも、アシスト乳酸菌を使ったサプリや豆乳も発売されているそうです。
他にもいくつかのメーカーの乳酸菌を調べてみましたが、免疫の司令塔である樹状細胞を活性化する乳酸菌はキリンのプラズマ乳酸菌とキッコーマンのアシスト乳酸菌のみでした。
免疫の司令塔を活性化するから、他の乳酸菌に比べて効果が大きいとは必ずしも言えるわけではないですが、言葉の威力はありますよね。消費者が飛びつきそうなワードです。
乳酸菌の研究が各メーカーが必死に取り組んでいる分野の一つですが、これから更に活発化して乳酸菌関連商品が増えていくのではないでしょうか。
大塚製薬 ボディメンテ
ポカリスウェットやカロリーメイトで有名な大塚製薬・・・
大塚製薬のボディメンテも免疫を活性化する乳酸菌を使っている飲料の一つです。
「ハードな日々をあなたを健康リスクから守ります。」と謳っています。
大塚製薬が発見した乳酸菌は乳酸菌B240と名付けられています。そして乳酸菌B240は「粘膜の免疫力とバリア力を上げる」効果があるそうです。
粘膜は口や喉、胃腸の表面にあり、外界からくるウイルスや細菌をガードする働きがあり、乳酸菌B240はその粘膜中に病原体を排除する抗体を産生することで、免疫力向上に繋がります。
そして、風の予防であったりアレルギー反応の抑制が出来るそうです。
まとめ
免疫を活性化する乳酸菌関連の消費は最近多くのメーカーから売り出されていますが、この商品がかならず効果があるというものはないです。
ある人に効果があったから自分にも効果があるとは言い切れず個人さんがあります。〇〇に効果があるという言葉に踊らされず、規則正しい生活を送る事が最も重要であったりします。
- いくつかの商品を試してみて、前と比べて明らかに風をひかなくなった…
- ずっとある商品を使っていたけど、使わなくなったら体調が崩れやすくなった…
効果があったかを意識して商品を試してみると自分に合った乳酸菌が見つかるかもしれません。
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