オレガノはどんな料理によく使われてるかご存じでしょうか。
トマト料理との相性がいいと言われ、イタリアンで頻繁に使われるオレガノ・・・
トマトと合わせる以外にもオレガノの使い方はいろいろあります。
また、オレガノの健康効果に関する研究結果から様々な効果が知られています。
今回はオレガノの基本情報から効果、使い方についてまとめてみました。
目次
オレガノの基本的情報
科属名
シソ科 ハナハッカ属
学名
Origanum vulgare
別名
ハナハッカ、ワイルドマジョラム
原産地
ヨーロッパの地中海沿岸地方
スパイス百科という本には上記のように記載されています。
シソ科にはバジルやタイム、ミントなども属しており、どれも香りに特徴があるハーブだと思います。
それらのハーブもあるなか、オレガノはシソ科の中で最も香りが強いと言われるほど、特徴的かつ強壮な方向を持ちます。その香りの強さの秘密はオレガノの精油成分にあります。
オレガノの精油成分として
- カルバクロール
- チモール
が特徴的です。
これらの成分が香りに関わり、そしてオレガノによる健康効果にもかかわってきます。
オレガノの精油成分について
オレガノが属しているシソ科植物の葉の表面は精油腺という精油を分泌する腺で覆われています。
なぜ植物が精油を分泌するかというと、捕食動物に対する防御の役割を持ちます。人間はミントやオレガノのような特徴的な香りを好んで料理に使いますが、野生動物はそのような特徴的な香りは避けようとします。この習性を利用して、オレガノのようなシソ科の植物は捕食から逃れようとしているのです。
ちなみに他にシソ科の植物は
- シソ
- セージ
- ベルガモット
- バジル
- タイム
- ローズマリー
- セイボリー
などがありますが、どれも香りの特徴的な物ばかりですね。
オレガノの効果について
天然の抗生物質ともいわれるオレガノは数多くの薬効を持っています。その中のいくつかを紹介していきたいと思います。
オレガノの力強い芳香は体にいい効果があるのです!
抗酸化効果
オレガノには抗酸化効果を示す物質が豊富に含まれています。
- カルバクロール
- チモール
これらの物質が酸化の原因となるフリーラジカルの活性を抑える働きを持ちます。
オレガノから抽出したオレガノオイルには特にこのカルバクロールやチモールが多く含まれています。
フルーツや野菜などの他の抗酸化食品と組み合わせる事でオレガノの効果をより一層高めることが出来ます。
抗炎症効果
オレガノの抗酸化効果は抗炎症効果にも繋がります。
酸化が起きるという事は体がダメージを受けるという事です。酸化が継続すると慢性的な炎症となりガンや心臓病に繋がります。
炎症を食い止めるためには体の酸化を防止する必要があり、抗酸化効果を持つオレガノは抗炎症効果も持つと言われています。
人から採取したがん細胞を使った実験では、オレガノ抽出物をガン細胞に与えるとがん細胞の成長を抑制し、さらには死滅させることが出来ました。
実際に我々の体の中で同じ効果を持つかは疑問が残ります。なぜなら、実験で与えた大量のオレガノ抽出物と同量のオレガノを食事から摂取することは難しく、また、体内のガン細胞の挙動が人から採取したがん細胞の体外での挙動と同じであるとは限らないからです。
細菌を死滅させる
オレガノには細菌に効果のある物質が多く含まれています。
特にオレガノオイルの抗細菌効果に関する研究が盛んにされています。
黄色ブドウ球菌という感染症を引き起こす細菌がいます。この細菌に感染するとほぼすべてのマウスは死に至ります。
細菌を殺すために一般的に抗生物質を使うのですが、オレガノオイルを抗生物質の代わりにこのマウスに投与すると、抗生物質に近い効果を示しました。
普通の抗生物質を投与した場合、生存率は半分程度でしたが、オレガノオイルを投与した場合生存率が1/3程度でした。
オレガノオイルの他の細菌への効果は分かりませんが、抗細菌効果が期待されます。
胃腸の健康を増進する
オレガノオイルの他の効果として胃腸関係の疾患、特に寄生虫が原因の胃腸疾患にも効きます。
胃腸の疾患として下痢や腹痛、お腹のハリなどがありますが、オレガノオイルはこれらの症状を緩和する働きがあります。
胃腸に疾患がある人に6週間オレガノオイルを摂取してもらったところ、6週間後には全員で寄生虫の減少が見られ、8割近い人が寄生虫の駆除に成功しているという研究があります。
オレガノを使った料理
特徴的で強壮な香りを持ったオレガノはサラダから肉料理の臭みけしまで様々な料理に使われます。
今回はその中でもおすすめの使い方をいくつかピックアップしました。
キャベツと生ハムのハーブサラダ
オレガノはトマトとの相性が抜群です。
ピザなどにはよく使われると思いますが、サラダでも使えます。
いつものドレッシングにオレガノを少しプラスするだけでまた違った味わになっていいかもしれません。
乾燥したオレガノを使ってもいいですが、オレガノオイルを使ってもいいかも。
ナスとチーズのオーブン焼き
オレガノと言ったらやはり、トマトとチーズと合わせたい。
オレガノだけをスパイスとして使うと香りが強くて苦手な人もいるかもしれません。
このレシピではオレガノ以外にバジルやローリエを使っています。スパイスは複数使う事で味が複雑になり角が取れてより一層料理がおいしくなります。
パルメザンチーズとオレガノのクッキー
オレガノはお菓子作りでも活躍します。
パルメザンチーズとオレガノを合わせたクッキー。程よい塩気が特徴的なクッキーです。
他のスパイスを加えてアレンジしてみてもいいかも。
まとめ
最後に今回紹介したオレガノについてのまとめを一枚にまとめてみました。
参考資料
スパイスの科学 武政三男
スパイス百科 丁 宋鐵
マギーキッチンサイエンス Harold McGee
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